音楽の話 その6



(関西弁でいきます)

いや〜あの頃は良かった!

なにせ音楽で飯が食えたんやから。
バイトもやってたけど、毎月のバイト代がそのまま残っていくもんね。
やっぱりあれがバブルやったんやろか?
そうそう、道にまだ使える電化製品とか家具とかええもんが落ちとった。
いまうちにある家財道具はみんなあの頃にひらった物ばっかり。

今考えるとそれがあかんかったんかもしれんなあ。
「これで生活出来るかも。」とか思ってしまったりして。
だいたい楽譜も読めん楽器始めたばっかりのへたくそが金取ってええの?

そんなもんに金出すやつらもやつらや。
適当に店やったりパーティーやったりして 音楽垂れ流しにして。
演奏なんか音が出てたら何でも良かったんやろなあ。
お客は金ドブにすててるようなもんや。
そうまさしくバブル。実体がない。
「こんな事やってられん。」とへたくそながら思ったりして、恥ずかし…


しかし考えてみると同年代のミュージシャンが多いっちゅうのはバブルの影響かもしれんなあ。
バブルのおかげで今音楽やってる訳やね。幸か不幸か知らんけど。

まあその頃でもちゃんとやってた人はちゃんとしてたんやろなあ。
俺なんか全然ちゃんとしてなかったなあ。
恥ずかしげもなくタダ酒いっぱい飲んで 酔っ払って 適当にJAZZみたいな事をして。
そんなんでもその頃はちゃんとしてないとは全然思って無かったから恐ろしい。
あーだこーだ偉そうに文句ばっかり言ったり なんか解ったような事言ったり。
(今でもそうやと言わんといて下さい。)
ほんま穴があったら入りたい。

そのへん、お客さんは解っとったんやろなあ。演奏に反応無かったもんなあ。
実際演奏してる本人もどんだけ楽しかったんやろか?
楽しいふりしとっただけちゃうの?そらそうや。そんなもん楽しいわけあらへん。

そう考えていくと あの頃は良かったんやろか?
適当に演奏して金が入るというのはあかんのと違うやろか?
やっぱり聴いてくれる人が喜んでくれるのが基本なんやから。
ペーペーが金もらえるっちゅーのはやっぱりどっかおかしいわ。
あの頃は良くなかった。いや悪かった。
もちろん個人個人の問題なんやろけど どうしてもそういう世界に引きずられるもんなあ。


けどおかげで上等な楽器も買えたし、わずかながらもお金も貯ったんで、
ちょっとニューヨークにでも旅行に行ってきます。

つづく


つづき

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